働いているのに、労働保険や社会保険に入れないことがあるのはどうして?
求人広告で「社会保険完備」「各種保険完備」や「労働保険有」等と記載されているの目にすることがあると思います。
ここで使われている広い意味での社会保険は「労働保険」と「社会保険」等を指しています。
そして「労働保険」とは、「労働者災害補償保険(以下、労災保険)」と「雇用保険」のことで、
「社会保険」とは、「健康保険」と「厚生年金保険」のことです。
ところで、求人広告で社会保険の有無があるのはどうしてでしょうか?
会社が保険を自由に選択して加入できるのでしょうか?
「労働保険」では一人でも労働者を雇えば、保険制度に入らなければいけません。(例外として5人未満の農林水産業の個人事業は任意ですが)
法人なら(個人経営で常時5人以上等の条件の事業所も含めて)「社会保険」に加入しなければなりません。
つまり法人であれば、原則、全て「労働保険」と「社会保険」の保険制度に加入していることになります。
でも法人で働いていても、健康保険や年金年金の被保険者でない方がいらっしゃいますよね。
どうしてでしょうか?
それは会社が、各保険制度に入っていたとしても、個々の労働者が入るか入らないか(被保険者になるかどうか)は別の条件で決まるからです。
具体的には下記のような条件があります。
【労災保険】
原則として、全ての社員が被保険者になります。
【雇用保険】
①1週間の所定労働時間が20時間未満である社員
②継続して雇用される期間が31日未満である社員
③65歳に達した日以後新たに雇用される社員
以外の社員が被保険者になります。
【健康保険】
①2か月以内の期間を定めて雇用される社員
②通常の社員の所定労働時間および所定労働日数のおおむね4分の3未満の社員
③後期高齢者医療の被保険者(75歳以上の社員等)
以外の社員が被保険者になります。
【厚生年金】
①2か月以内の期間を定めて雇用される社員
②通常の社員の所定労働時間および所定労働日数のおおむね4分の3未満の社員
③70歳以上の社員
以外の社員は被保険者になります。
ところで雇用保険、健康保険および厚生年金では、会社と従業員が保険料を折半して払うことになっています。
保険料を払うのは当然の義務ですが、会社にとって負担は小さくありません。
また従業員にとっても、給与からの天引きは小さいものではありません。
しかし、会社にとって大切な従業員の生活の安定のために社会保険料を納めることで、良質な人材を確保でき、経営が安定し、社会的信用も得られます。
また従業員も保険料を支払うことで、本人や家族が将来に渡り安心して生活できることが保障され、仕事に打ち込むことができます。
ですからもし万が一、条件に当てはまるのに社会保険に加入していない状態があるなら、是非早めに解消することをお勧めします。