へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

子育て休みの相談事例

核家族化、超高齢化および少子化が進んで、家庭を支える家族が減り、
介護をしている労働者や子を持つ女性が就業を継続するうえで大きな阻害要因となっています。


子育てや介護などの家庭の事情によって、仕事や生活の時間的制約を抱えている労働者に対して、
仕事と家庭の両立支援を進めることが、労働者の福祉や社会の安定にとって大変重要であることが認識され、
「育児介護休業法」ができました。


「育児休養」は育児介護休業法によって制度化されています。


男女問わず労働者が、その子を養育するためにする休業で、子が1歳になるまで(特に必要と認められた場合は1歳6カ月まで)取れることになっています。


育児休業の開始予定日と終了予定日は、1か月前までに事業主に申し出なくてはなりません。


そして開始予定日を繰上げ変更することについては、1回に限り認められています。


繰上げ変更を申し出る理由については、出産予定日より早く子が出生した場合、配偶者の死亡、病気等の特別な事情がある場合に限られています。


また、終了予定日を繰り下げ変更する場合は、当初終了予定日の1か月前までに申し出することで可能になります。


一方、「開始予定日の繰り下げ変更」と「終了予定日の繰り上げ変更」は法律に定められていません。


その理由は、1年または1年6カ月という長期の育児休業期間の場合、会社が新たに労働者を雇い入れることが想定されますが、当該労働者との労働契約期間の短縮は、急には難しいということです。(期間延長は比較的受け入れられ易い)



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ところで、例えば、
ある女性が出産し、2月から12月までの11か月間の育児休業を事業主に申し出しました。


幸い保育所に入所できたので、4月10日に会社に復職を願い出ました。


6月1日までに復職しないと、子供を保育所から退園させなければいけないと言われていたからです。


しかし、会社から「育児休業終了予定日は繰上げできないし、臨時職員を雇ってしまったので、復職できるポストも今のところない」と言われてしまったそうです。


この場合、終了予定日の繰り上げ変更は、法律にも定められていないことから、この女性の申し出だけでは、当然にはできません。


会社と、もう一度話し合いをしっかり行って、対応を決めるのが良い方法だと思いますが、
都道府県労働局の雇用機会均等室の援助により、事態の解決を図る等の必要もあるかもしれません。