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さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

助成金?補助金?

会社経営をしている方なら、「助成金」や「補助金」をご存じの方は多いと思います。


両方とも国や地方公共団体等から支給される、原則、返済する義務のないお金なので、同じようなものと認識されている方が多いと思います。


確かに、財源は公的資金なので、一定の資格や条件が必要な場合があり、自ら申請して審査を受けるところは同じように見えます。


助成金」と「補助金」との違いは少し曖昧なところがあり、区別するのが難しいところがあります。


敢えて言えば、「助成金」は、例えば厚生労働省の所管している「雇用調整助成金」のように、要件を満たした事業者には原則給付されることが多いです。


これに対して「補助金」は採択件数や予算が決まっているものが多く、申請したからといって必ずしも受給できるわけではありません


つまり申請した会社の数に対し、採択予定件数が少なければ、採択された会社以外は支給されないことになります。


さらに「補助金」の場合は、一か月程度の公募期間を設けるのが一般的です。この期間内に所定の書類を揃え、申請する必要があります。


提出書類の内容でその妥当性や必要性をアピールできないと、実際どんなに良い提案だったしても採択には至りません。


その意味で、補助金の申請に関しては、提出書類の内容が極めて重要であると言えるでしょう。

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ところで、多くの「助成金」や「補助金」は後払い制になっています。


従って、まず自社のお金を支出しなければなりません。申請した事業総額と同額の資金を用意する必要があります。


また「助成金」や「補助金」では、このお金を使える事業期間が決められているのが一般的で、この事業期間に支出した経費以外は経費として認められず、期間外の補助を受けられないことがあります。


そして事業期間終了後、一定期間内に報告書や支払証等を提出する必要もあります。


この提出書類が正確で無かったり、目的外に経費を支出していたりすると、申請していた支払が拒否されることがあります。


さらに、上手く「助成金」や「補助金」を受けられたとしても、会計検査院の検査を受ける可能性もあります。


しっかりと事務処理し、正当な目的で費用支出していれば何ら問題ありませんが、いい加減なことをやっていると、指摘される可能性があります。


補助金」や「助成金」を受けようと思うと、事務処理が増えたり、時間的な制約がついたりと面倒なことが色々あるのも事実です。


場合によっては「補助金」や「助成金」を受けない方が、事業がうまく進むこともあるでしょう。


何でももらえるものはもらっておこうという意識でこれらの制度を活用するのはあまりお勧めできません。


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しかし助成金補助金を活用して、会社の経営、雇用状態や業務改善等を進められる大きなメリットがあります。


1)経営のための貴重な資金を、返済の義務なしで手に入れられること
  (しかも売上高の加算でなく、利益の加算と同じ意味があります)


2)社会的に必要性の高い要望(雇用、高齢者、障害者、母子家庭、職場改善および人材育成など)に応えることができること


3)会社が社会的なイメージアップや信用が得られること
  (助成金補助金を受けられたということは、法令を守ている健全な事業者との国のお墨付きをもらったような意味があります)


4)公的融資をを受ける際に有利に働くこと
  (受給実績はアドバンテージになることもあります)



ぜひ「助成金」や「補助金」を有効に活用し、事業経営に役立てて下さい。