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へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

週休3日ですか、ユニクロ

変形労働時間

8月20日に「ユニクロ」のファーストリテイリング社が、週休3日制を導入するというニュースがありました。


転勤のない「地域正社員」約1万人のうち、希望者を対象に10月から週休3日制を導入するとのことです。


人手不足が続く小売業で、優秀な人材の退職を防ぐ狙いで、育児や介護を両立し易くして、柔軟な働き方をアピールする目的だそうです。


ファーストリテイリング社は、既に昨年4月から勤務地域や短時間労働勤務を選べる「地域正社員」制度を設けていました。


関連した内容を、私のブログの「多様な正社員」の活用でも触れていましたのでご覧ください。


sakabesharoushi.hatenadiary.jp


ところで、ファーストリテイリング社の週休3日制では「変形労働時間制」という労働基準法第32条にある労働時間の弾力化の制度を利用しています。


変形労働時間制」は、労働時間の弾力化の方法にひとつとして、「フレックスタイム制」と並んで設定されています。


簡単に言うと、使用者が主導するのが「変形労働時間制」で、労働者の主体性を重視したのが「フレックスタイム制」です。


「変形労働時間制」は、「1カ月単位の変形労働時間制」「1年単位の変形労働時間制」および「1週間単位の非定型的変形労働時間制」の3つの働き方があります。


1か月単位の変形労働時間制」は、


 一般的な事業場における通常の賃金計算期間である1か月の範囲内で、労働時間の弾力化をすることができる制度です。


1年単位の変形労働時間制」は、


 季節によって業務の繁閑の差のある事業(デパートなど)において、繁閑に合わせて労働時間を設定することによって時間外労働を少なくして、全体として労働時間を短縮することを目的とした制度です。


1週間単位の非定型的変形労働時間制」は、


 日々の業務において繁閑の差が大きく、その業務の繁閑が定まっていない事業(小売業、旅館、飲食店など)について、業務の繁忙日にはある程度労働時間を延長し、比較的閑散の日には労働時間を短縮することで、機敏に業務の遂行を図る制度です。


これらの制度には条件がほかにもあるのですが、説明が冗長にならないように、ここでは割愛させていただきます。いずれブログで触れたいと思います。


f:id:sakabesharoushi:20150821233828j:plain


ところで、ファーストリテイリング社では、おそらく「1年単位の変形労働時間制」の制度を導入したのだと思います。


この制度では、対象期間(1年以内)を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内で労働させることができます。


その際、労使協定を結び、例えば対象期間を1年とし、例えば1か月ごとに区分し、


例えば4月から開始する場合、3月1日(30日前)までに、労働日と労働日ごとの労働時間、5月以降各月の労働日数と総労働時間を、過半数労働組合か過半数を代表する者の同意を得て、書面で特定しなければなりません。

(「例えば」が多くてすみません。法令に合った書き方にすると分かりにくくなりますので)


労働日数は280日が限度になります。


また、1日10時間、1週間52時間が労働時間の限度です。


さらに連続して労働させる限度日数は6日です。


ただし、労使協定で「業務が繁忙な期間(特定期間)」が定められば、「1週間に1日の休日が確保できる日数」とされ、最長12日間連続で労働させることができます。

(具体的には、ある日曜日から翌週の土曜日まで14日間ありますが、最初の日曜日と最後の土曜日を休日にすれば、各週1日の休日が確保できますので、その間の12日間は働かせることができるということです)


もちろん、これらの限度時間を超えて労働させる場合は割増賃金を払わなければなりません。


そのような手続や条件はいろいろあるのですが、「1年単位の変形労働時間制」を活用して、


ファーストリテイリング社が、週5日のうち1日分(8時間)を4分割(2時間ずつ)して、4労働日に乗せたことで、週休3日は可能になります。


1日10時間労働にはなりますが、週休3日となって、賃金を下げない方法を導入したことは、会社にとっても、労働者にとっても評価されるのではないでしょうか。


これからのファーストリテイリングの動向に注視していきたいと思います。