同一労働同一賃金推進法ってなに?
台風18号の影響による大雨は、自分の身近なところからは離れていきましたが、
まだ雨が降っている所やこれから影響が出る地域もありますので、引き続きお気を付けください。
東京近郊は台風一過で、また暑くなるようですね。
ところで、昨日このブログで、労働者派遣法改正について触れましたが、
その法案が参議院で採決されたのと合わせて、「同一労働同一賃金推進法」が採決されました。
sakabesharoushi.hatenadiary.jp
では「同一労働同一賃金推進法」というのは、どのような法律なのでしょうか?
この法案は、もともと、労働者派遣法改正案の対案として民主党と維新の党などが共同で提出していました。
しかし、与党が維新の党との協議を行って修正案を再提出し、これが可決される形となったのだそうです。
法律の目的としては「同じ価値の労働をしているならば、立場に関係なく同じ賃金を支払う」ことを推進し、正社員と派遣社員との賃金格差の解消を狙ったものだそうです。
実は、その後の与野党の議論を行い、主に与党によって内容の一部が修正されました。
修正されたところは、下記のとおりです。
1)施行後1年以内に正規労働者と非正規労働者の均等実現の措置を講ずるはずだったところが、3年以内に延長されたこと
2)「法制上の措置を講じる」という文言を、「法制上の措置を含む必要な措置」に変更したこと
3)「職務に応じた待遇の均等の実現」というところを
「その業務の内容及び当該業務の責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇および均衡のとれた待遇の実現」に変更したこと
これにより、正規労働者と非正規労働者の均等実現の措置の実施が遅れること、
また、法制化という強い拘束力を持たせず、行政通達で済ませる可能性があること、
さらに、もし正規労働者と非正規労働者が、格差があったとしても
「業務の内容」(例:労働時間や休日)が違い、「責任の程度」(例:部署での地位)が違うからという理由で、両者を同じ賃金にしない理由を正当化できること
というように、法律が当初の目的から離れてしまって、かなり骨抜きになっているとの指摘があります。
でも本来、多くの国民の労働環境の向上を目指すべき法律だと思うのですが、
政治の駆け引きや政権の目論見で、法律の精神や目的が変容してしまうというのは如何なものでしょうか?