へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

60歳、65歳超えても働く時代へ

昨日の市民囲碁大会には、70数名、平均年齢が70代位ではないかと思える「地元の囲碁愛好者」が集まりました。


年齢を感じさせない熱気で、日頃の鍛錬を出せる場への熱い闘志で暑いくらいでした。


私より年下の人は数名、私は参加者では若いほうだと思いますが、


成績は、一番下のCグループ(24名)でリーグ戦5戦で3勝2敗・・・言い訳はしません。


次回、Cグループ優勝を目指します。


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ところで、お元気な高年齢者の仕事について書きたいと思います。


平成6年の厚生年金保険法の改正で、


「21世紀の超高齢化社会を、活力ある長寿社会とする」とされており、


「60歳引退社会から65歳現役社会に変えていく」年金制度の骨格ができました。


厚生年金保険制度は、雇用と年金に配慮してつくられており、高齢者雇用の一層の雇用促進を図る施策と連携しています。


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例えば「高年齢者雇用安定法」や「雇用保険法」では、60歳から65歳までの働く条件を改善するために、いろいろな仕組みをつくっています。


具体的には「高年齢者雇用安定法」で、高年齢になっても働けるように、


事業主が定年の定めをする場合は、「定年は60歳を下回ることはできない」こととし、


もし定年を65歳未満に設定している事業主は、平成25年3月31日までに、


1)定年の引上げ  2)継続雇用制度の導入  3)定年の定めの廃止

のいずれかの措置を講ずるよう努めなければならないこととしました。


また、シルバー人材センター等(各都道府県知事が指定)も設けることになりました。


雇用保険法」では、


「高年齢雇用継続給付」として、働く高年齢者には、一定の条件で雇用保険から給付金を受けられるようになっています。


具体的には「高年齢雇用継続基本給付金」「高年齢再就職給付金」があり、


「高年齢雇用継続基本給付金」は、5年以上雇用保険被保険者であった人が、60歳以降、失業給付(基本手当)を受給せずに雇用が継続されて、賃金が60歳時の75%未満に下がった場合、最高15%まで雇用保険から給付される仕組みです。


また「高年齢再就職給付金」は、5年以上雇用保険被保険者であった人が、60歳以降、失業給付(基本手当)を受給し、再度、安定した職業についた場合、失業手当の支給残日数が100日以上あって再就職手当を受けていなければ、雇用保険から給付される仕組みです。


このように様々な仕組みによって、高年齢者が働く環境がつくられています。


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その一方で、65歳未満で老齢年金を受給していると、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」を受給する場合、4割相当の額が年金支給額から差し引かれます。


何となく働いて損してしまっているように感じるかもしれません。


でも、60歳から65歳まで働いて賃金をもらい、雇用保険から給付金をもらい、さらに、少し差し引かれますが年金ももらうことができるような仕組みになっていると思えば、そんなに悪くないと思います。


逆に、65歳未満で働かないで失業給付を受給していると、受給している老齢年金は全額支給停止になります。


これは、まだ働こうとしている方を対象とする失業給付と、現役を引退した方を対象とする老齢年金を同時に給付することは矛盾しますし、


失業給付と老齢年金の両方もらえることになると、再就職するよりも働かないほうがいいということになってしまう可能性があるからです。


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それから、上記で述べたとおり働きながら65歳未満の老齢年金をもらうことができますが、


賃金と老齢年金を足して28万円を超えると、超えた分の半分の額だけ、年金が減少することになります。(賃金が47万円を超えると超えた分がそのまま年金から差し引かれます)


それでは働くだけ損、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、


報酬の多い方の年金支給を抑えることで、若い方の保険料の負担を抑えることになりますし、


一方、働けば65歳以降の年金額がどんどん増えることになるので、メリットもあります。


このように、少子高齢化で労働力が益々減少していくこれからの日本では、


どうしても、60歳、65歳になってからも働く時代に変わらざるを得ないのではないかと思います。


日本は元気で意欲的な高年齢者もたくさんいらっしゃいますしね。


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