へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

労使のコミュニケーションは?

長いシルバーウィークが終わり、今日から出勤の方もいらっしゃると思います。


幸いにもお天気は良さそうです。


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さて、今日の話題は・・・


平成27年6月30日に、厚生労働省の「平成26年労使コミュニケーション調査」の結果が出ています。


面白そうなので、見てみました。


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この調査は、会社や労働者を対象として、


労使間の意思の疎通を図る方法、その運用状況等、事業所側の意識及び労働者の意識等の実態を明らかにすることを目的として、


5年ごとに行われています。


対象は、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・水道業、情報通信業運輸業

小売業、金融保険業、不動産業、飲食業、教育学習支援業、医療福祉業、サービス業などの主要16業種で、


常用労働者30人以上を雇用する民営事業所のうちから抽出した約5,500事業


そこで雇用される常用労働者から一定の方法により抽出した約6,400人の労働者で調査した結果です。


まず、労使関係の維持については「安定的に維持されている」と「おおむね安定的に維持されている」を合わせた『安定的』は86.9%になっています。


企業規模別だと、1,000 人以上の大企業では「安定的に維持されている」が最も多く、


1,000人未満でも「おおむね安定的に維持されている」が最も多くなっています。


事業所での労使コミュニケーションがどの程度良好であるかについて労働者の認識をみると、


「非常に良い」と「やや良い」を合わせた『良好』とする労働者は55.1%、「どちらともいえない」
は33.5%、「やや悪い」と「非常に悪い」を合わせた『悪い』は11.3%となってます。


また、過去3年間(平成23年7月1日から平成26年6月30日までの期間)に自分自身の処遇等についての不平や不満を事業所に伝えたことが「ある」労働者は16.5%、「ない」83.1%となっています。


不平や不満を事業所に伝えたことが「ある」労働者について、どのような方法で伝えたかをみると「直接上司へ」78.2%が最も多く、次いで「労働組合へ」18.1%などとなっています。


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労働関連のトラブル件数は、少なくなくないですし、高止まりしているので、ちょっと意外でした。


この調査から言えることは、「常用労働者」にとっては労使関係は良好と思っている方が多く、大企業ではより労使関係が安定している姿が推測されます。


つまり日本では「常用雇用」されていると「恵まれている労働環境」が得られる状態になっている ように見えます。


しかし、実際は「常用雇用」されている労働者ばかりでなく、「非常用雇用」の労働者が数多くいます。


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この調査で見えてこないのは、「非常用雇用」の労働者と会社とのコミュニケーションがどうかということだと思います。


会社と「常用雇用」労働者のコミュニケーションが良くなっていますが、


反対に、「非常用雇用」労働者との格差が拡大し、その労使間のコミュニケーションや、それによる労働環境の改善が難しくなることが


より顕在化されていくかもしれない、とも考えられます。



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