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へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

今回は契約更新してくれないの?

雇用

昨日は、各地の神社が七五三ので賑わったようです。


期日ははっきり決まってないようですが、11月15日が最良の吉日なんだそうです。


でも、今は10月から11月の休日で、家族の揃う都合の良い日に行うことが多いようですね。


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ところで、


テレビや新聞等で「有期労働契約」している従業員の「雇止め」について、社会問題としてときどき取り上げられ、目にすることがあると思います。


「有期労働契約」というのは、期間を定めて締結された労働契約です。


実際、パート、アルバイト、契約社員や嘱託社員などとして、3カ月、6カ月や1年などの契約期間で雇用されている方は多いと思います。


そして、契約更新を何度も繰り返しながら、一定期間継続して雇用されてきたにもかかわらず、使用者が、突然、契約更新をせず期間満了をもって退職させた場合、これを、いわゆる「雇止め」と呼びます。


使用者に「雇止め」を告げられたときに、有期労働契約者が「今回も当然更新されるだろう」と期待していた場合には、しばしばトラブルに繋がることがあります。


ですから、労働者保護の観点から、労働契約法19条で一定の場合にこれを無効とする判例上のルール(雇止め法理)が規定されています。


1)反復更新された有期労働契約で、「雇止め」が正社員の「解雇」と同視できると認められるものや、


2)労働者がその有期労働契約が更新されるものと期待することに合理的な理由があると認められるもの


上記のいずれかに該当する場合に、使用者が「雇止め」することが、


客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、「雇止め」は認められません。


したがって、このような労使間のトラブルの防止を図るために、使用者と労働者の立場に立って、厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を公表しています。


その基準によると、


1)有期労働契約を結ぶときに、使用者はその契約の「更新の有無」を明示する必要があります。


例えば、「契約の更新はしない」「更新する場合はあり得る」とか「自動的に更新する」とか、明確に記しておくことが必要です。


2)使用者が有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働者に対して、契約を更新する場合、または更新しない場合の判断の基準を明示する必要があります。


例えば、「労働者の勤務成績、態度」「労働者の能力」「会社の経営状況」「契約期間満了時の業務量」および「従事している業務の進捗状況」などが考えられます。


もし、上記の「更新の有無」や「判断基準」について変更することがあれば、労働者に対して、速やかに書面によって伝える必要があります。


また、使用者が、有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新か、1年を超えて継続雇用されている場合等)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をする必要があります。


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「雇止め」についてのトラブルが発生して、争われた裁判例では、


民法の原則どおり契約期間の満了により当然に契約関係が終了するものと判断された事案ばかりでなく、実際「雇止め」が認められなかった事案も少なくありません。


「雇止め」が有効か無効かの判断要素として以下の6つが示されています。


1)業務の客観的内容

例えば業務内容が臨時的なものであれば、雇用される人も期間満了により契約関係が終了すると明確に認識できますが、恒常的業務の場合更新を期待をすることに合理的理由があると認められる可能性があり、「雇止め」が無効になることがあり得ます。


2)契約上の地位の性格

その地位が臨時的であって正社員と明らかに異なる場合でなく、地位に基幹性があって正社員と同一性を有する場合、更新の継続を期待することに、合理的理由があると認められる可能性があり、「雇止め」が無効になることもあり得ます。


3)当事者の主観的態様

継続雇用を期待させる当事者の言動や認識がある場合(例えば、「できるだけ長く働いてほしい」等)は、更新の継続を期待することに、合理的理由があると認められる可能性があり、「雇止め」が無効になることもあり得ます。

また、就業規則等に正社員への登用の規定があって、過去に登用された事実がある場合も同様に、無効になる可能性があります。


4)更新の手続き・態様

例えば、反復更新の回数が多かったり、勤続年数が長かったり、契約更新の際、改めて契約書を締結し直さなかったり、契約更新の希望の意思確認をしなかったり、契約更新の手続きが形骸化している場合には、更新の継続を期待することに、合理的僂郵があると認められる可能性があり、「雇止め」が無効になることもあり得ます。


5)他の労働者の更新状況

同様の地位にある他の労働者について、過去に「雇止め」の例がある場合、「雇止め」の効力が認められる場合があります。


6)その他

有期労働契約を締結する際、通算の契約期間や更新回数など契約更新の上限が設けられてる場合は、労働者は、その上限を超えて契約が更新されることについて期待しているはいえないので、「雇止め」の正当な理由になる可能性があります。


いずれにしても、有期労働契約では、使用者も労働者も契約時や更新時に、その内容についてしっかり確認して合意しておくことが、トラブルの防止に繋がると思います。


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また、使用者は「雇止め」の予告後に労働者がその理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。また「雇止め」の後に労働者から請求された場合も同様です。


それから、使用者は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするよう努めなければならなりません(厚生労働省告示第551号)


有期労働契約者は、非正規労働者の一部ですが、実際には基幹的労働力と化している場合もみられます。


しかし、そのような場合でも、有期労働契約者は、正社員との比較においては、劣後している地位にあり、正社員の解雇に先立ち「雇止め」を行うことは一定の合理性があるとされています。(裁判例:大阪地決平2・2・20労判558・45、高松地判平10・6・2労判751・63、横浜地判平18・9・26労判930・68)


それだけに、有期労働契約者の雇用の実態が正社員に近い場合には、「雇止め」の有効性もより厳格に判断され、簡単に認められるわけではないことに、使用者も留意する必要があると思います。



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