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へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

志が高く優しい介護労働者・・ですが・・

今日は成人の日、3連休の最後の日の方も多いことでしょう。


それから関東では鏡開きの日で、お正月も終わります。


家庭円満を祈願し鏡餅をお雑煮やお汁粉で食べて、お正月気分を切り替える時期ですね。


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今日は「介護労働者」について書いてみます。


国の経済・財政一体改革と並行して「介護離職者ゼロの実現」を進める検討をしていることはご存知だと思います。


「介護のための不本意な離職」を解消するため、介護休業制度を拡充等を行い、多様な民間介護サービスを拡大し、地域包括ケアシステムを実効性のあるものとし、また都市部を中心とする介護施設不足など、官民が協力して対応することになっています。


しかし、昨年度までの実績では、あまり計画通りには進んでいないようです。


その理由のひとつとして、介護人材の不足が挙げられています。


実際、介護に関わっている労働者は170万人と言われ、調査に表れない人まで推定すると400万人以上もいるのではないかとも言われています。しかし、大切なのは「良質な人材の確保」なのだそうです。


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ここで、介護労働の概要を把握するために、


公益財団法人・介護労働安定センターの平成26年度(一部、平成25年度)の「介護労働実態調査」の結果をご紹介します。


まず、介護労働業界では、離職率が他の業界に比べて高く(16.5%)、その結果、採用率も高く(20.6%)なっています。離職者の約74%が勤務年数3年未満となっています。非常に労働力が流動しやすい職場だといえます。


その結果、介護サービスに従事している従業員の過不足感も、「大いに不足」、「不足」および「やや不足」を加えると59.3%となっており、実感として従業員が不足していると感じているようです。


では、労働力が流動してしてしまうのは、介護の仕事に満足感が得られないからなのでしょうか?


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ところが、労働者が介護労働を選んだ理由は、「働きがいのある仕事だと思ったから」というのが、52.6%でトップでした。
また、「資格・技能が活かせるから」が36.2%、「今後もニーズが高まる仕事だから」が35.3%となっており、意欲や向上心を持った志のある人が参入しているように思われます。


また、「人や社会の役に立ちたいから」が32.0%、「お年寄りが好きだから」が25.6%となっており、ボランティア精神がある優しい人が多いように思われます。


仕事の満足度についても「仕事の内容・やりがい」があるという人が45.3%でトップでした。


つまり、仕事自体は満足している人は多いようなのです。


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では、不満な点は一体何なのでしょうか?


「人手が足りない」が18.3%でトップでした。「人手が少ない」ので仕事がきつくなり、辞めてしまうことでまた「人手が少なく」なってしまう負のスパイラルなのでしょうか。


次に「仕事の内容の割に賃金が低い」が42.3%でした。確かにアンケート上の数字では、管理者に比べると介護労働者は、月給の実賃金で15万円ほど低いという結果になっています。


また「有給休暇が取りにくい」が34.9%ですが、シフト制で変形労働時間の職場が多いことから、実際なかなか取り難いことはあると思います。


その他にも「業務に対する社会的評価が低い」、「身体的負担が大きい」とか「労働時間が不規則、長い」なども不満な点として挙げられています。


確かに非常に厳しい仕事だと思います。


しかし、実際に前職の「介護の仕事を辞めた理由」は、


「職場の人間関係に問題があったため」が26.6%でトップでした。
労働時間が不規則で過酷であり、正規社員と非正規社員が混在し、女性労働者が約8割を占め、様々な前職と経験を持つ人達が集まっている職場で、人間関係を円滑に保つことは大変難しいことだと思います。


次いで「法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があったため」が22.7%でした。これは、意識の高い労働者の多い介護業界に特徴的な介護理由だと思います。


「収入が少なかったため」も18.3%で上位でした。潜在的には非常に大きな理由ではないかと思います。


sakabesharoushi.hatenadiary.jp



せっかく志高く仕事に就く人が多い介護労働業界なのですから、この貴重な人材を活かして、育てて、辞めることが無いように、より良い環境の職場をつくっていくことは、「良質な人材確保」に繋がるひとつの方法だと思います。


ですから、労働者の意欲や向上心を活かして、頑張ればステップアップできるキャリアパスをつくり、


適正な評価・賃金制度を構築し、研修やOJTによって教育する機会をしっかり与え、


働き方(労働時間管理、休暇取得、変形労働時間活用など)を適正に行い、


職場内の人間関係に注意し、ハラスメント防止対策を確実に行うことで、


長く快適に働ける職場をつくっていくことで、「良質な人材」を確保していきましょう。(後日、もう少し詳しく書きます)