イクメンへのハードル
8月になると、お祭りや花火大会など、イベントが盛り沢山ですね。
故郷のお祭りを見ると、子どもの頃を思い出します。
でも、思い出と違う人達、出店や街並みなど、お祭りの雰囲気も変わり、
良いとか悪いとかではなく、「時の流れ」が心に染みます。
老けたつもりは全くありませんが・・・
ところで、「イクメン」という言葉はかなり浸透してきているようですね。よく耳にします。
ご存知のとおり「イクメン」とは「子育てする男性」のことで、
「イケメン」と語感を合わせた言葉です。
積極的に子育てを楽しみ、自身も成長していく男性像をイメージしている呼称だと思います。
ところで、実際に「イクメン」はどのくらい増えているのでしょうか?
平成28年度「雇用均等基本調査 事業所調査結果概要」によると、
「育児休業取得率」は平成28年が3.16%で、平成17年の0.5%に比較すると6倍以上増えています。
でも男性100人中3人強程度では、まだ少ないですよね。
政府の「育児休業取得率の目標値」は平成32年に13%としていますが、あと3年半で4倍は大丈夫でしょうか・・・。
それでは「妻の産後に、夫は会社をちっとも休んでいないのか?」と思う方もいると思いますが、そうではなく、
妻の出産後2カ月以内に
「何らかの休暇(育児休業含む)」を取った夫は55.6%(平成28年度)でした。
(平成28年度内閣府「男性の配偶者の出産直後の休暇取得に関する実態把握のための調査研究事業報告書」より)
なんと2人に1人の夫が、出産後、妻のために会社を休んでいます。(多いとは言えないかもしれませんが)
しかし、その内容を見ると、
最も多いのが、会社の規則にある「配偶者出産休暇」を「出産日」に取った夫で、
出産日翌日を過ぎると「年休」取得が最も多くなり、出産日から日が経つにつれて取得が減っているようです。
また、夫の休暇取得日数は4日以上6日未満が最も多いのですが、
一方、妻の65%以上が10カ月以上休暇を取得しています。
現状はやはり、育児・家事の主体は妻であり、夫は一時的な「お手伝い」のようです。
この状態が続けば、妻の就業の中断が長引き、結果として「妻のキャリア継続」が困難になる可能性が高くなると思います。
それでも、夫の休暇取得が、徐々に増えていることは確かで、
休暇取得したくても取得しなかった夫も29.1%いるようです。
ところで、妻の出産後2カ月以内に休暇を取得した夫は、どんな人だったのでしょうか?
この調査によると、
1)休暇取得制度、ワークライフバランスへの取組、上司の理解等、職場環境が整っているところに勤めていること
2)日ごろの妻と夫の会話や妻からのリクエストなど、家庭内のコミュニケーションが充実していること
具体的には「出産に向けたスケジュール」や「夫の参加が必要な時期」等について日ごろから話し合っているなど
3)夫の育児や家事に対する参画意識が高いこと
具体的には「育児には父親の手助けも欠かせない」「父親はできる範囲で家事・育児に参加すべきだ」等考えているなど
やはり、これら「職場要因」「家庭要因」「個人要因」が整うことが、イクメンを増やす条件になっているようですね。
もちろん、これだけの要因ではないと思いますが、少子化対策や、女性や男性の働き方改革に向けて、政府だけでなく、会社や働く人の意識改革が必要だと思います。