「パワハラ」の事実確認
ヒマワリ栽培が思わぬ苦戦を強いられています。
双葉が虫(這った跡が光っていて、おそらくナメクジ)に食われ、残り5本です。
来週まで残るかなあ。
「パワハラ」は、「セクハラ(男女雇用機会均等法で規定)」と異なり、法的な定義はありません。
一説では、某コンサルタント会社の代表による和製英語だそうです。
しかし厚生労働省でも、「パワハラ」「いじめ」等は労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為であり、
職場の生産性の低下や人材の流出といった損失を防ぎ、労働者の仕事への意欲や職場の活力を低下させないためにも、この問題に積極的に取り組む必要があるとして、
平成23年7月から平成24年3月まで「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」が開催され、「パワハラ」について定義されました。
「職場のパワーハラスメントとは、
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
※ 上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。
そして、「パワハラ行為の事例」が分類され、以下のとおり挙げられています。
【身体的な攻撃】 暴行・傷害(叩く、殴る、蹴る等、丸めたポスターで頭を叩くなども)
【精神的な攻撃】 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(同僚の前で叱責、長時間、繰返し執拗に叱るなど)
【人間関係からの切り離し】 隔離・仲間外し・無視(1人だけ別室、強制的な自宅待機、送別会に出席させないなど)
【過大な要求】 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(新人に仕事を押付け全員が帰るなど)
【過小な要求】 業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
【個の侵害】 私的なことに過度に立ち入る(交際相手についての執拗な質問、身内の悪口など)
しかし、この「ワーキング・グループ」が定義した「パワハラ」は法律ではなく、
あくまでも、予防・解決に向けて取り組むべき行為について、労使等が認識を共有するために整理されたものに過ぎないので、
これに該当すれば当然に私法上の違法性が基礎づけられるような概念ではありません。
逆に言えば、この概念に該当しない行為ならば、当然に違法ではないことを意味するわけでもありません。
ですから、職場で「いじめ」「嫌がらせ」があったとしても、個々のケースごとの実態で判断されることになります。
そこで、過去の「パワハラ」に関係するような損害賠償請求事件の「裁判例」が、
今起こっている職場の問題が「パワハラかどうかの判断材料」のひとつになります。
例えば、
以下の東京地方裁判所が平成22年7月27日に判決を言い渡した裁判例は、
上記分類の【身体的な攻撃】【精神的な攻撃】に当たると言われています。
ある会社の上司Aは、部下Bの業務の方法について、事情を聞かずに叱咤し「今後、このようなあった場合には、どのような処分を受けても一切異議はございません」という始末書を提出させたり、部下Bの提案に対し「お前はやる気がない。なんでここでこんなことを言うんだ。明日から来なくていい」と怒鳴るなどしました。
また、部下CとCの直属の上司を「馬鹿野郎」「給料泥棒」「責任を取れ」などと叱責し、Cに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」という文を書かせた上で、始末書を提出させたり、
部下Dの背中を殴打し、面談中に膝を足の裏で蹴ったり、部下Cの妻について「よくこんな奴と結婚したな、物好きもいるもんだな」とDに言ったりしました。
判決では、上司Aに対しては、抑うつ状態になり休職した部下Bについては、約60万円の慰謝料、部下CとDに対しては、それぞれ40万円と10万円を慰謝料として支払うことを命じただけでなく、会社も使用者責任を負うことになりました。
それから【人間関係からの切り離し】【過小な要求】の例としては、富山地方裁判所の平成17年2月23日の裁判例などがあります。
労働者Aは、マスコミに自分の会社が関わる違法な闇カルテルの存在を告発したところ、その後20数年にわたって、教育研修所の配属となり、他の社員と離れた個室に席を配置され、研修生の送迎等の雑務しか与えられませんでした。
この判決では、労働者Aの内部告は正当な行為であるとした上で、不法行為、債務不履行責任により、1,357万円の損害賠償が会社に命じられました。
ここではあまり裁判事例を挙げませんが、
幾つもあるこのような事例が、「パワハラかどうかの判断」の参考になります。
ご興味のある方は調べてみたらいかがでしょうか。
では実際に「パワハラ」の問題が発生すると、会社にはどのような影響を受けるのでしょうか?
このような職場では、信頼関係が崩壊していると考えられ、
1)業務効率の低下 2)職場内コミュニケーションの低下および悪化 3)労災事故の増加
4)出勤率の低下 5)顧客サービスの低下 6)有能な人財の流出
7)労使トラブルの増加 8)訴訟リスクの増大
などの様々な問題が発生することが懸念されます。
また上司と部下が裁判で争うことになれば、会社としても、安全配慮義務違反等が問われることも考えられます。
ですから使用者としては、日頃の上司と部下とのやり取りは労働者間の問題に過ぎないと軽視せず、
できれば会社としての相談窓口の設置などの体制を整え、本気で取り組む姿勢が必要かもしれません。
その際常に「事実」をしっかり確認することが重要だと思います。
パワハラ被害を訴える人の申告内容がすべて正しいとは限らず、加害者として訴えられた人を、誤って陥れてしまう懸念もあります。
また、パワハラの加害者に対する懲戒処分を行うときも、会社として「パワハラが存在」し不法行為や違法性を認めたことになるので、慎重に進めることが必要です。
やはり、正しい事実認定や記録、判断基準の確認と、それによる合理的な判断などを適正に行うことが大切だと思います。
パワハラ上司と言われる人は、厳しい指導者で、社内では優秀な人財であることが多いそうです。
私が以前受講したセミナーでは、「パワハラ」と「厳しい指導」を区別するポイントを5項目挙げていました。
1)職務上の合理性があるか?
2)同じ言動を繰り返してはいないか?
3)健康や安全を脅かす可能性はないか?
4)パワー(優位性)の存在がみとめられるか?
5)自己防衛できるか、回避の余地はあるか?
などを「相対的基準」で判断するようです。
しかし、実際には「問題の事実確認」だけでも大変だと思います。
でも職場に発生している問題の事実を丁寧に確認をすることで、職場の改善や社員教育の在り方等も見えてくるかもしれません。
それが「パワハラ」問題を解決に導くだけでなく、そんなことが起こらない「社員が互いを尊重し合う」職場づくりに生かせるといいですよね。
ブラック企業名の公表
先週、庭にヒマワリの種を数粒撒きました。
2メートル位になると、種の袋には書いてありましたが、どうでしょうか。
楽しみです。
先週、テレビや新聞等で「違法な長時間労働をしている企業の公表」についてのニュースがありました。
その内容は、
厚生労働省の千葉労働局が、平成28年5月19日、千葉市内の「棚卸サービスの企業」に対し、
「違法な長時間労働を複数の事業場で行っていたこと」について「是正指導」し、その「企業名等を公表」したということです。
この企業では、1カ月当たり100時間を超える時間外や休日労働が行われていたことが、4カ所の事業場(A・B・C・D)で確認され、
A事業場では18名が100時間を超える時間外労働で、最長約182時間の労働者がいました。
また、B事業場では14名が該当し最長約175時間、C事業場では16名で最長約118時間、
さらにD事業場は15名で最長約197時間にもなった労働者もいました。
非常に過酷な職場環境だったことが察せられます。
でも、この事件がなぜニュースで取り上げられたのでしょうか?
これまでは、企業が長時間労働で法律に違反した場合、
労働基準監督署が「是正を指導、勧告」し、それでも「従わない悪質な企業に限って書類送検」して、「社名を原則公表」していました。
しかし、今回の事件については、「是正指導(法的拘束力が無い行政指導)の段階」で、初めて「企業名を公表」したのです。
その背景には、平成27年5月15日に厚生労働省で行われた「臨時全国労働局長会議」があります。
この会議で、企業の長時間労働の労働基準法違反の防止を徹底し、自主改善を促すために、
都道府県の労働局長が経営トップに対して全社的な早期是正について指導し、その事実を公表する、という方針を明らかにし、
同年5月18日より実施されることになりました。
企業名公表の対象は「社会的に影響力の大きい企業(主に300人を超える大企業等、詳細省略)」で、以下のいずれにも当てはまる事案です。
1)違法な労働時間があったこと
>労働時間、休日、割増賃金に係る労働基準法違反
>1カ月当たりの時間外・休日労働時間が100時間超え
2)相当数の労働者がいたこと
>1カ所の事業場において、10人以上の労働者又は当該事業場の4分の1以上の労働者において「違法な長時間労働」
>概ね1年程度の期間に3カ所以上の事業場で「違法な長時間労働」
今回の企業名の公表により、当該「棚卸サービス企業」の株価は、翌日20日以降、ストップ安まで下落し、その後も株価が低迷しています。
また、インターネット上(SNS等)などでも、社長の個人情報から会社情報まで流れ、風評が広がっています。
さらに、ハローワークでも平成28年3月から、いわゆる「ブラック企業」の求人は受け付けないことになっており、求人が難しくなるかもしれません。
その他にも、社員の損害賠償や個別紛争対応、社員の士気の低下、そして顧客離れ等もあるかもしれません。
このように「企業名の公表」は、顧客、株主、労働者など経営全体に影響が及ぶ可能性があり、情報社会の近年では非常に厳しい制裁だと思います。
今回の措置は「大きな企業」のみが対象になりますが、それ以外の「中小企業」にとっては他人事だと言っていられないかもしれません。
というのは、
国では「日本再興戦略」の改訂(平成27年6月30日閣議決定)において、「働き過ぎ防止のための取組強化」を重要項目として盛り込んでいます。
そして「過労死等防止対策推進法」(平成26年11月施行)に基づき、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(平成27年7月24日閣議決定)が定められるなど、長時間労働対策を強化しています。
また厚生労働省に「働き方改革推進本部」も平成27年1月に設置しています。
ですから「大企業」だけでなく、企業の9割以上を占める「中小企業」についても、直接的、間接的に徐々に改善を指導していく方向ではないかと思われます。
今後、長時間労働削減に向けて、いろいろな施策を打つ計画があるようですが、
例えば、労働基準局は「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を平成28年4月1日に公表しています。
それによると、平成27年4月から12月までの間に、
「1カ月当たり100時間を超える残業が行われた疑いのある事業場」あるいは
「長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場」を対象として、
労働基準監督署による「監督指導」を行われました。
その結果「監督指導」を行った8,530事業場のうち、半数を超える4,790事業場で違法な時間外労働があることが分かり、
それらの事業場に「是正勧告」しています。
この「監督指導」によって、1カ月当たり100時間を超えたのが2,860事業場(59.7%)もあり、
さらに595事業場(12.4%)で、時間外労働が150時間を超えた事例、
120事業場(2.5%)で、時間外労働が200時間を超えた事例、
27事業場(0.6%)で、時間外労働が250時間を超えた事例があったことも分かりました。
このように、企業の規模に関わらず、多くの企業において、かなり「劣悪な労働環境」で働いている労働者がいることが分かります。
厚生労働省では、今後もこのような施策を積極的に行っていくとのことです。
このように「不適切な労働時間」で労働者を働かせることは、労働者の健康に悪影響があることはもちろんのこと、
企業業績や経営に大きな打撃がある可能性があります。
反対に「適切な労働時間」で労働者に働いてもらうことによって、労働意欲や労働効率などが向上し、経営にとって良いことが沢山あると思います。
近年、特に「中小企業」は人手不足で、どうしても労働時間が増えてしまうのかもしれません。
繁忙な中で、労働時間を減少させることは非常に難しく、
業務の進め方の見直しや効率化を進めるでけでなく、業務の必要性の判断まで求められる場合もあります。
また「経営者」のコンプラライアンスに対する意識改革が最も大切ですが、「労働者」の教育と意識改革も必要かもしれません。
「経営者」が率先して労働環境改善に努めることはもちろんのと、「労働者」と一緒に解決策を考えていくことも大切です。
例えば、今回「是正指導」を受けた「棚卸サービス企業」では、「再発防止に向けた取組」として、
社長を中心とした「社内プロジェクト」を立ち上げ、外部専門家の助言を得ながら
1)労働時間管理の徹底
2)業務量標準化への取組み
3)業務効率化の推進
そして、その改善状況を随時検証し、必要な対策を講じ、
この実行を担保する体制を構築する。
と報告しています。
「是正指導」される前に、実行しておくべきだったかもしれませんね。
有期雇用の「無期転換ルール」
お天気が不安定です。
関東でも地震がありました。
熊本周辺の方の不安なお気持ちが察せられます。
本日は、有期契約労働者が無期契約に転換する法律の話です。
事業主の皆様はよくご存知だと思いますが、
平成25年に労働契約法が改正されました。
改正点のひとつとして、有期労働契約(1年、6カ月契約のパート、アルバイト、嘱託社員など)が
「繰り返し更新」されて「通算5年を超えた」ときは、
「労働者の申込み」により、期間の定めのない労働契約に転換(以下「無期転換」と呼びます)できることになりました。
これまでも約3割の有期労働契約者が通算5年を超えて更新を繰り返す実態があり、
その下で生じる労働者の「雇止めの不安」を解消し、働く人が「安心して働き続けることができる社会」を実現することが目的です。
この改正法は、平成25年4月1日に施行されたので、
仮に施行日(平成25年4月1日)に契約(または更新)した労働者が継続して契約更新した場合、今から約2年後(平成30年4月1日)には、「無期転換」を申込む労働者が出ることが想定されます。
ですから、事業主の皆様や労働者の皆様も、そろそろ準備をしたほうがいいかもしれません。(既に準備している事業主の皆様も多いと思いますが)
厚生労働省では「無期転換」の時期がくる前に、有期労働契約者が「雇止め」になる場合が増加するのではないかということを懸念しています。
ですから、同省では「無期転換」ができるだけ円滑に進むよう、労使双方に「無期転換後の労働条件のあり方について、労使であらかじめよく話し合い、就業規則や労働契約書などに規定しておく」ことを呼びかけています。
中小企業の事業主の皆様のなかには「無期転換」についてネガティブなイメージをお持ちになっている方もいらっしゃると思います。
ですが、中小企業が「良い人財」を確保することが難しい現状のなかで、「無期転換」がもたらすメリットも大きいと思います。
例えば、
>安定雇用が見込まれ、労働者の意欲が増し、更なる能力向上が期待できる
>会社への忠誠心が増し、必要な人財を確保し続けることができる
>新規採用や教育訓練に係る費用や時間を減少させることができる
などがメリットとして考えられます。
さらに「無期転換」し「キャリアアップ等の促進」の取組を実施した事業主に対して「助成金」を支給する制度もあります。
いくつか例を挙げると、
>有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等の助成金(最高60万円/人)
>有期契約労働者等に対する職業訓練の助成金(最高50万円/人)
>有期契約労働者等の賃金テーブルの改善、健康診断制度の導入、短時間労働者の週所定労働時間を社会保険が加入できるよう延長することの助成金(最高300万円)
詳細については省略しますので、お近くの専門家(ハローワーク、社労士等)にお尋ねください。
事業主の「無期転換」へ移行する手順については、以下の3つのステップが、厚生労働省から提案されています。
【ステップ1】現場における有期契約労働者の活用実態を把握する
>有期労働契約者の人数、社内規定、運用実態、業務内容、今後の働き方やキャリアに関する希望等について把握します。
【ステップ2】有期契約労働者の活用方針を明確化し、「無期転換」への対応の方向性を検討する
ひとつの例をあげれば、
>「恒常的な基幹業務」を担当している有期労働契約している人は、「無期転換」を前提に契約し、
「恒常的な補助業務」を担当している方は、業務量、意欲、能力、働き方の希望を考慮し、長期勤続が見込まれる人については「無期転換」について話し合って納得する契約をし、
また、「スポット的業務(短期、季節性)」については、5年以内になるよう、期間に合わせた適正な契約期間とする
などが考えられます。
【ステップ3】「無期転換」後の労働条件をどのように設定するか検討する
例えば、以下の3つのパターンの労働条件にすることが考えられます。
1)有期契約労働者を「無期契約労働者」に転換する場合は、契約期間が無期になるが、労働条件は有期契約労働契約時と同一とする
2)有期契約労働者を「多様な正社員区分(職務限定社員、エリア限定社員)」に転換する場合は、職務の範囲や勤務地の限定などを勘案した労働条件を適用する
3)有期契約労働者を「正社員」に転換する場合は、既存の正社員区分の労働条件を適用する
これらを自社の状況に応じて、組み合わせ、段階的に転換していくこともできます。
なお、平成27年4月1日に「専門的知識を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が施行され、
1)高度な専門的知識等を有する有期契約労働者が 2)定年後引続き雇用される場合、
適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定されたときは、
一定の期間については、「無機転換」申込権が発生しない、という特例が設けられています。
いずれにしても、「無期転換ルール」が実際に始まる時期が近づいています。
会社の人財確保と活用のためにも、労働者の雇用の安定と不安解消のためにも、
円滑に仕組みが導入されることが望まれていると思います。
「業務による精神障害」の基準
前回のブログから少し時間が経ってしまいました。
お天気は不安定ですが、暑い日もありますね。
連休は過ぎ去り、仕事に没頭している方もいらっしゃる頃でしょうか。
今回は精神障害の労災について書きます。
さて、近年、仕事によるストレスが関係した労災申請が増えています。
平成26年度「過労死等の労災補償状況(平成27年6月25日公表)」によると、
精神障害の労災請求件数は 1,456件で、前年度に比べて47件増加し過去最多でした。
労災補償の支給決定件数も、497件(うち未遂を含む自殺99件)で、前年度より61件増えて過去最多でした。
以前は、発病した精神障害が業務上のものと認められるかどうかの判断が難しく、時間がかかることがあり、
その認定を迅速に行うことが求められていました。
そこで、より早く判断ができ、また分かりやすい基準として、
厚生労働省から「基発1226号第1号(平成23年12月26日)」という通達が出されました。
この通達には「労働災害の精神障害を認定する基準」が示されています。
内容がやや難しくて、できるだけ平易に表現したいので、その内容について要点を絞って書いてみます。
「業務上の精神障害の疾病」に認定されるためには、以下の「3つの要件」すべてを満たす必要があります。
1)対象疾病を発病していること
「対象疾病」というのは、国際疾病分類(ICD-10)の「精神障害」で分類される疾病で、業務に関係がないものは除かれます。(例えばアルコールや薬物による障害等)
よく知られているのは、うつ病(気分「感情」障害)や急性ストレス反応(ストレス関連障害、身体表現性障害等)などです。
主治医の意見書や診断書、関係者からの聴取等により、「発病の有無」「発病時期」「疾患名」が医学的に判断されます。
事情があって治療歴が無い場合は、聴取内容等から診断基準を満たすかどうか医学的に推定します。
2)対象疾病の発病前おおむね6カ月の間に、業務による強い心理学的負荷が認められること
発病の引き金になった、業務による「出来事」と「出来事後」を総合評価して、心理的負荷が「強」と判断される場合は、この要件を満たします。
この通達には「業務による心理的負荷表」があり、心理的負荷が「弱」「中」「強」の具体例が数多く挙げられています。
例えば、「長時間労働」では、以下の出来事があった場合、心理的負荷が「強」になります。
>発病直前の1カ月におおむね160時間以上の時間外労働を行った
>発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働を行った
>発病直前の2カ月間連続して、1カ月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行った
>発病直前の3カ月間連続して、1カ月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行った
>転勤して新たな業務に従事し、その後月100時間程度の時間外労働を行った
これらの事例は目安で、この時間外労働時間に至らない場合でも、心理的負荷が「強」と判断されることがあります。
その他にもたくさんの「具体的出来事」が挙げられていますが、
例えば、「強」の事例として、
>部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた
>胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントであって、継続して行われた場合
>退職の意思のないことを表明しているにもかかわらず、執拗に退職を求められた。
などが挙げられています。
第3の要件は、
3)業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと
「業務以外の心理的負荷」の場合、
例えば「離婚」「身内の死亡」「天災」「多額の個人財産の損失」など、業務に関係が無いことによる心理的負荷などが原因の発病ではないことが判断されます。
また、「個体側要因」では、「精神障害の既往歴」「アルコール依存状況」「社会適応状況」などが慎重に判断されます。
そして、精神障害を発病した労働者が、その出来事を主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されます。
おそらく、多くの皆さまが、多かれ少なかれストレスを抱えて仕事をしていると思います。
少しでも労働環境を整備し、誰もが気持ちよく成果を上げていくことが大切だと思いますが、
もし「業務上、耐えられない心理的負荷がある」と感じている方がいたら、この基準を確認したら如何でしょうか。
様々な具体例がありますので、自分の業務状態がどの事例に近いのかを照らし合わせて、心理的負荷が「強」かどうかを判断するうえで参考になると思います。
非正規労働者と労災
ゴールデンウィーク真っ只中ですね。
ご家族とともに気分をリフレッシュされている方も多いと思います。
一方で、被災地では追い打ちのように余震があり、不安が続いているようです。
現地の方や支援されている皆様、大変だと思いますが頑張ってください。
本日は「労働災害」について、少し書いてみます。
平成28年3月15日に発表された、労働基準局安全衛生部安全課の「平成27年における労働災害発生状況について(1月~12月末、平成28年3月速報)」 によると
死傷者数114,292人 (前年同期比 △2,941人、2.5%減少) 死亡者数932人 ( 同 △83人、8.2%減少) 重大災害266件 ( 同 △25件、8.6%減少)
一昨年、平成26年は何れも前年より増加でしたが、平成27年は減少傾向で改善しています。良いことだと思います。
でも、労災の死傷者数は11万人以上もおり、まだまだ減らす必要があると思います。
ところで、使用者は、労働者(アルバイト、パート等含む)を1人でも使用していれば、原則として、法律上当然に「労働者災害補償保険(労災保険)」に加入することになっています。
ところが、アルバイト等に対する「安全の配慮」や「安全教育」については、
正社員に比べて、ついおろそかになってしまうことはないでしょうか?
しかし、使用者に求められる「安全配慮義務」は、雇用形態(正社員、アルバイト等)によって異なるものではありません。
例えば、アルバイトの労災に対する使用者責任をめぐる事例(東京地判平17.11.30判時1929・69)があります。
ある解体業の会社で、アルバイトAさんが廃材を投げ下そうとした際に、転落して、Aさんは脊髄損傷等の傷害を負ってしまいました。そのとき、Aさんは安全帯をせず、ヘルメットも被っていませんでした。
使用者Bさんは、転落防止のための措置を講じておらず、安全帯やヘルメットの着用等についても、具体的に注意を促すこともしなかったために、重大な過失があったとされました。
結果として、アルバイトAさんは労災保険の障害等級1級という重い障害が残り、使用者Bさんには合計約8,300万円もの損害賠償が命じられました。
このように、使用者は、雇用形態(正社員、アルバイト等)にかかわらず、労働者の生命および身体を危険から保護するよう配慮すべき義務(安全配慮義務)を負うのは当然のこととされています。
会社の直接雇用ではない「派遣社員等」の場合でも、「安全配慮義務」を認めた判例 があります。
たとえ直接の雇用関係にはなくとも、「事実上これに類似する使用従属の関係」が認められ、「会社の設備等を利用」して、その「指揮命令下で作業」を行っているという実態がある場合、
直接の雇用関係がない労働者に対する、会社の「安全配慮義務」を認めています。
また、派遣労働者の労働安全衛生については、平成21年3月に厚生労働省が通達(陛1.3.31基発0331010)を出して、派遣元事業者と派遣先事業者が各自、または両者連携して実施すべき事項について取りまとめています。
仕事によるケガや病気に対しては、正社員も非正規社員も関係なく、使用者は労働者の安全に配慮し、労災保険も適切に使用する必要があります。
仕事でのケガや病気については「労災保険」で対応することになっており、「健康保険」を使うことはできません。これを行うと、いわゆる「労災かくし」という犯罪行為になってしまいます。
「労災保険」であれば「健康保険」のように治療費3割負担でなく、治療費全額が支払われます。
ですから治療は無料です。これを「療養の給付」といいます。
ケガ等で働けず、会社から給料が出ない場合でも、働けなくなって休んでいる4日目から「休業(補償)給付」として、1日の賃金の6割相当の金額が支給されます。また、「特別支給金」として2割相当が支給されますので、合計8割程度の金額が支給されます。
障害が残ってしまった場合には「障害(保障)給付」として、その障害の程度によって一定の金額が支給されます。
例えば障害が重い場合は1日の賃金の313日分~131日分相当の金額が毎年支給され、
障害が軽い場合でも、1日の賃金の503日分~56日分相当の一時金が支給されます。
万が一、亡くなってしまったときは「遺族(保障)給付」として、家計を共にしていた残された家族(遺族)の人数によって一定の金額「遺族(保障)年金」が支給されます。
例を挙げると、4人以上の遺族の場合は1日の賃金の245日分相当の金額が、毎年支給されます。
ところで、労災は事故によるケガや病気に限りません。
過重労働、長時間労働、仕事や人間関係の大きなストレス等により、心の病になってしまう労災が増えています。
非正規労働者が4割にもなり、主要業務を任さるようになると、非正規労働者でもあり得ることだと思います。
人を雇用している方は、常に働いている方の安全に配慮することが大切ですし、
また、万が一の労災があった場合、一定額の損害賠償の負担能力を持って、被災労働者を救済するために、
(たとえ非正規労働者のみだったとしても)労災保険への加入を忘れないようお願いします。
「特定社労士」をご存知ですか?
熊本県や大分県などではまだ地震が続いて、復興を阻んでいます。
新聞によると「中小企業」は、大手企業のように本社からの支援が見込めず、
「孤立無援」のなか、復興が遅れて苦労されているとのこと。
熊本県などの地方経済を大きく支えている中小企業の復興は、地元の暮らしの復旧にも大きく影響すると思います。
1日も早い復興を心から願います。
では、今日の話題に入ります。
「個々の労働者」と事業主の間の労働に関する紛争を「個別労働関係紛争」といいます。
「個別労働関係紛争」が問題になってきたのは、
パートや派遣労働者のように労働組合に頼れず、個人での紛争解決を迫られる労働者が増え、
その内容もいじめ、嫌がらせ、セクハラ、パワハラ、個別の退職勧奨、育児や介護等の
個々の労働者に係わるトラブルが増えたことが背景あります。
一方、以前は、職場の個別のトラブルは裁判で解決することが多かったのですが、
裁判には多くの時間と費用を要し、原則公開で行われます。
また、裁判での決着では、当事者間で「勝った」「負けた」の関係になり、円満な職場関係の解決を難しくして本当の解決に結びつかないこともあります。
ですから、裁判になる前、あるいは裁判によらない解決手段として「裁判外紛争解決手続(ADR)」が活用されるようになってきました。
ADRは、裁判に比べ「簡易、迅速、低廉」にトラブルを解決するための手続きです。申立ての手続きが簡単で、非公開であることも大きな特徴です。
労働者にとっては、時間的にも、金銭的にも、肉体的にも、精神的にも負担が軽くなるばかりでなく、
経営者にとっても、裁判になった場合の企業イメージの低下や企業リスクを回避することができます。
「特定社会保険労務士」は、依頼者(事業主もしくは労働者)に代わって(代理人または補佐人として)ADRの手続きを行い、
当事者からそれぞれの意見を伺ったうえで、双方が納得できる和解案を示すことでトラブルを解決する
「紛争解決手続代理業務」ができます。
「特定社会保険労務士」の対象となる業務は、
>「個別労働関係紛争解決促進法」に基づき都道府県が行うあっせんの手続の代理
>「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」および「パートタイム労働法」に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
>個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理
>個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理(ただし紛争価額が120万円を超える事件は弁護士の共同受任が必要)
>事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭と陳実
そして、主な仕事としては、
>「個別労働関係紛争」に関する依頼者からの相談と助言
>紛争の原因等の把握、事実確認、依頼者の立場に立った主張や法的な見通し
>あっせん申請等の作成と提出
>紛争解決機関への内容説明
>相手方との和解交渉
>あっせん等期日における意見陳実、和解の締結等
などを行うことができます。
「特定社会保険労務士」は、社会保険労務士が厚生労働大臣が定めるADRに関する研修を終了し、
「紛争解決手続代理業務試験」という国家試験に合格し、社会保険労務士会連合会が備える社会保険労務士名簿に付記した者が、その業務を行うことができます。
「特定社会保険労務士」は平成19年4月1日の「社会保険労務士法」改正時にできた資格であり、労働問題の解決や未然防止等により、社会への貢献することを求められている新たな業務領域だと思います。
私も「特定社会保険労務士」として付記されています。
「特定社会保険労務士倫理規定準則(平成19年4月1日施行)」の第一条では、
「特定社会保険労務士は、紛争解決手続代理業務に係る職務の重要性と専門家としての責任を自覚し、依頼者のために誠実にその職務を行わなければならない」
と職務の自覚について規程しています。
「品位」「公正」「誠実」は、社会保険労務士として変わりませんが、
この規定では「依頼者のために」とあり、また、第5条にも「依頼者の意思の尊重」について規程しています。
当然のことかもしれませんが、依頼者(事業主や労働者等)により、業務の立ち位置を常に考慮することが強調されているように思われます。
また、あっせん等の場で依頼者のための主張を行うときには「法的三段論法」に基づいて行うことが求められますし、権利義務の存否が判断されます。
「法的三段論法」とは、
1)大前提・・・法規、判例等
2)小前提・・・具体的事実
3)結論・・・・法適用の結果
つまり「法的三段論法」とは、法規等と具体的事実から法の適用に関する結果を導き出す推論方法です。
例えば、
1)大前提:人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する(刑法199条)
2)小前提:AはBを殺した(事実)
3)結論: Aは、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられる
というような論理的な手法です。
当たり前のようですが、このような思考を積み上げていくことは大変なことだと思います。
いずれにしても、社会保険労務士として、職場でのトラブルが起こらないように事業主等を支援していくことが最も大切だと思います。
そして、万が一、トラブルになったときは、特定社会保険労務士として、裁判にまでならないようにトラブル解決のための「あっせん」や「調停」をお手伝いしたいと思います。
そのためにも、これからも地道に勉強していきたいと思います。
中小企業の経営理念?!
熊本から大分を中心とする九州地方の大地震で、多くの方が不安な気持ちでお過ごしになっていることと思います。
被害の映像を見ると、心が痛みます。次々に起こる地震が早く治まって欲しいと願います。
そして、亡くなった方、被害に遭われた多くの皆様に対しては、心からご冥福とお見舞いを申し上げます。
今日のテーマに入ります。
平成25年の厚生労働白書の、若者の意識調査を見ると、
新入社員の働く目的は、「楽しい生活をしたい」とする者の割合が、平成12年以降、約25%から38%まで大きく上昇している一方、
「社会のために役立ちたい」とする若者も、平成12年以降約5%から約15%に上昇傾向であり、
「仕事を通じ社会に貢献していきたい」と考える若者の増加として注目されています。
それから、会社を選択する理由は「自分の能力・個性が生かせるから」とする者が約35%で、最も高い割合を占めています。
つまり、最近の新入社員は「楽しく」生活ができ、「社会に役立ち」「自分の能力・個性を生かせる」仕事につけるかどうかを重視する傾向が強まっているようです。
ですから、中小企業は大企業に比べると採用活動で思うような人財を確保することが難しい状況が続いていますが、
「従業員を家族のように大切にし、地域社会に貢献するやりがいのある職場である」といった企業の魅力を出し、アピールしていくことは、中小企業にとっては大切なことかもしれません。
つまりそれは、中小企業の「経営理念」に当たるものだと思います。
ところで、採用で良い人財を確保したら、その「人財力」をさらに高めていくことが大切で、企業の競争力の強化に繋がっていきます。
「人財力」を高めるためには、採用、人財育成、そして能力を発揮させるための「人財育成方針」を策定することが大切です。
そして、「人財育成方針」を策定するためには、しっかりとした「経営理念」が必要だと言われます。
では、「経営理念」とは、どんなものでしょうか?
様々な考え方や定義がありますが、一例を挙げると、
経営者の視点から見た場合、創業者、歴代の経営者および現社長の経営哲学、価値観、信条等の経営判断の拠り所であり、経営者個人の人生観が反映され、経営手法や製品そのものに影響するものです。
従業員の視点から見ると、行動姿勢、行動指針に繋がるもののことです。従業員として、いかに行動すべきか、価値判断をどうすべきかの基準になるため、「経営理念」の浸透と本質的な理解が必要です。
社会的な視点では、「経営理念」は社会への価値提供(存在価値)です。何をもって社会に貢献するのか、そのために単にモノを提供するのではなく、伝えたい思いや文化や価値を示す意思表示のことです。
では、なぜ「経営理念」が企業にとって必要なのでしょうか?
会社の従業員が少人数のときは、社長の個人的な魅力と指導力と目配りで、会社の価値判断や行動の基準などの同一性が保たれると思います。
しかし、20人から30人を超えてくると、社長ひとりでは目が届かなくなってきます。
そのとき「経営理念」が社内に浸透していれば、従業員が業務遂行上ある意思決定を迫られたとき、無意識のうちに自社の「経営理念」に照らして判断できます。
その結果、経営者や管理者の指示・命令が無くても、各自が正しい意思決定ができるとともに「その会社らしさ」を醸成することができるようになります。
社外的には、「経営理念」があると会社のイメージが明確になり、取引先・顧客・提携先との信頼関係が築きやすくなります。考え方の明確な会社は信頼されやすく、外部との関係を強化することも可能だといわれています。
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ここで「経営理念」のイメージが浮かびやすいように、参考として、日本を代表する企業のひとつである「トヨタ自動車株式会社」の「経営理念」を調べてみました。
「トヨタ基本理念」
1)内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
2)各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
3)クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
4)様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
5)労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
6)グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
7)開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄をめざす
この「基本理念」のもと「トヨタ行動指針」や「トヨタグローバルビジョン」がつくられているのではないかと思います。
トヨタ自動車株式会社の経営者や従業員は、これを経営判断の拠り所とし、社員の行動の基準とし、社会貢献の意思表示としているのだと思います。
もしかすると、「小さな会社ではこんなかっこいいもの必要ない」とおっしゃる社長もいらっしゃると思います。
でも、形にはしていなくても、創業以来受け継がれたもの、
あるいは一代で築き上げた社長であれば、経営に対する考え、行動の仕方やお客様と接する態度はきっとあると思います。
それを文章にして、後継者や若い人達に伝えていけばいいのではないかと思います。
そうすれば、
「会社がその事業を通じて実現したいことは何か」が明確になり、
従業員の行動や考え方の判断基準になり、
従業員が「何のために働くのか」が明らかになり、
会社の方向性が定まり、
自社がどういう会社なのかを取引先、顧客等にアピールすることができるようになるのではないかと思います。
きっと意欲的な若者が入社して、社長の「経営理念」を踏襲して会社を成長させてくれるかもしれませんね。