解雇予告?何、それ
残暑がまだまだ続きそうですね。
仕事をしていると夏の疲れから、ふと眠気に襲われることもあるかもしれません。
今日は日曜日、ゆっくり静養できるといいですね。
それから、今日は2015年度社会保険労務士試験の試験日です。
受験される方は、会場に向かう準備で神経を尖らせてるところだと思いますが、
肩の力を抜いて、これまで蓄積した力を全て発揮してください。
最後の最後まで諦めてはいけません。1点が命取りになることもありますから。
ところで、本日はあまり楽しい話題ではないですが、解雇予告について書いてみます。
事業主の皆さまは「従業員は大切な財産」と考えていると思います。
また会社の将来のために、従業員を育て、働く環境を整備し、できるだけ処遇したいとも考えていると思います。
それでも会社を経営するうえで、従業員をやむを得ず解雇する必要が生じることはあると思います。
しかし解雇は、従業員の生活に多大な影響を及ぼします。
ですから突然の解雇による従業員の生活の困窮を緩和するため、労働基準法において、従業員を解雇する際の手続きが定められています。
まず、やむを得ず解雇する際には、客観的・合理的な理由が必要です。
そして解雇に当たっては、解雇理由の如何を問わず、原則として、以下の2つの方法のいずれかの手続きを行わなければなりません。
1)少なくとも30日前に解雇の予告をする。
もし予告の日数が30日に満たない場合は、その不足日数分の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。
解雇予告期間中も賃金を支払う必要があります。
2)解雇の予告を行わない場合は、解雇と同時に30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
懲戒解雇であっても、上記の解雇手続きをとらなくても良いという訳ではありません。
労働基準法では、
1)天災事変で事業継続が不可能な場合
2)労働者の責に帰すべき理由に基づいて解雇する場合であって、労働基準監督署長の認定を受けた場合
に限って、解雇手続きをとらずに解雇することが可能です。
ただし、解雇してはいけない期間があります。
1)業務上の負傷または疾病にかかり、療養のために休業する期間と、その後30日間
2)産前産後休業中と、その後30日間
解雇予告の規定が適用されないのは、以下の者です。
1)日々雇い入れられる者
2)2か月以内の期間を定めて使用される者
3)季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
4)試用期間中の者
解雇の話が起こる時は、事業主も従業員も感情的になっている場合が多いと思います。
そんな中でも、できるだけ冷静に判断し、可能限りお互いが了解し折り合いをつける方向で話し合い、
それでも解雇すべき客観的、合理的理由がある場合は、解雇予告手続きに則って対応することが必要です。