読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

生涯現役か~!カッコいい会社ですね

高齢者

6月18日に、明治大学のリバティーアカデミーで、株式会社辻井製作所の辻井一男社長のセミナーを聴講してきました。


「生涯現役の会社経営」というタイトル。


辻井製作所は鋳物製造会社です。埼玉県川口市を拠点として年商30億円を売り上げ、高度な独自技術によって海外にも展開しています。


川口市は、もともと鋳物産業が盛んで、1950~1970年には700以上の工場がありましたが、現在は50社程度になってしまったそうです。


鋳造業は3K産業と言われ、働く希望者や後継者が減少し、また都市化よる宅地の不足から、多くの鋳物製造会社が廃業や転業し、土地を売却したり貸付してしまったからだそうです。

f:id:sakabesharoushi:20150810113654j:plain


辻井製作所では3Kや肉体労働からの脱却を目指し、経験による技術伝承に拘らず、新型機器やITの導入を図り、誰でも学べば習得できる技術への転換を進めました。


中国人やベトナム人の研修生も受入れ、教育訓練の仕組みや技術の作業の標準化も進めました。


そして高齢者についても大切な従業員として、家族のように扱い、言葉通り「終身雇用」にしています。


「生涯現役で働ける企業」を実現できたのには、この会社が行ったいくつかの施策と変革があったからです。


自分の視点も入れて要約すると、


1)定年後の再雇用制度のルールを明確にして、60歳以降の賃金制度を変更し、中若年従業員の賃上げの原資にしたこと


2)「高年齢者従業員でも操作可能」になるように、機械の導入や工場内のIT化を進めたこと


3)中高年への業務シフトを可能とし、高年齢者のやりがいを創出するために、高年齢者の役職を外し、後継者育成の「指導員」の役職を創設したこと


4)「雇用調整助成金」「高年齢雇用継続給付金」「在職老齢年金」の助成金や制度資金等をフル活用して、会社の負担を減らす一方、従業員の手取りを増額させたこと


5)中高年の時から、技能士となるための教育訓練と資格取得や「教える」ための教育を行い、高年齢になってからも、仕事を続けるためのIT関連の知識習得をさせていること


6)長く働けるよう健康管理への配慮に力をいれていること


7)退職金制度を見直していること


など、顧問の社会保険労務士と相談しながら、人事や資金面で工夫を凝らして進めたそうです。


高年齢者の雇用によって、中高齢の安心とやる気も生まれ、高年齢者から後輩への知見の伝達も進んでいるそうです。


しかし、実際にこのような変革が進めることは大変なことです。


「社長の強い意志と従業員を思いやる考え方」や、


これまで一人も整理解雇をしていなかった実績による「従業員からの信頼」があったからではないかと思います。


少子高齢化の時代、これからはこのような会社も増えてくるのではないかと思います。