へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

学校の先生も大変なんですね!

梅雨入りして雨は降りますが、シトシトと長く雨が降るというより、


ザーっと沢山降って、カラッと晴れて暑くなるような日が多いような気がします。


最近の「梅雨らしさ」というのは自分のイメージだけで、「思い込み」なんでしょうか。


それとも、これからでしょうか。


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今回は学校の話題です。


時々、生徒のいじめ、自殺、教師の不適切な言動、セクハラ、体罰・・・最近では森友、加計学園の問題など、


何かとマスコミを賑わすような「学校」に関する事件や問題が起きています。



一方で、「真面目に」「真剣に」生徒と向き合っている先生方も沢山いらっしゃると思います。


そして、その先生方の業務量が増え過ぎて手が回っていないのではないか、という番組や記事の解説なども目にします。



最近、実際に先生の仕事の負担が10年前に比べて、かなり増えているという実態が、公的な調査結果で示されました。


この公的な調査とは、


文部科学省が「エビデンス(根拠)に基づいた教育政策の推進」することを目的として、


平成28、29年度の2年間実施している「教員勤務実態調査」というものです。


少し前(4月28日)に、「平成28年度の結果概要」が報道発表されました。


ここでは、その調査結果のポイントだけを少しご紹介したいと思います。


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〇 10年前(脱ゆとり教育の前)に比べて小中学校教員の1日当たりの勤務時間が平均40分前後伸びている。


  > 平成18年度の調査結果と比較して、平日・土日ともに、いずれの職種(校長、副校長・教頭、教諭、講師、養護教諭)でも勤務時間が増加しています。
(例えば、教諭については、1日当たり小学校で平日43分・土日49分、中学校で平日32分・土日1時間49分)


〇 平日も土日も若い教師ほど労働時間が長い傾向があり、特に中学校の土日はその傾向が強い。


  > 中学校の土日の勤務時間は、51~60歳が1日当たり2時間40分に対し、30歳以下は4時間20分と長時間になっています。


〇 中学校では、部活動の活動の日数がが多いほど、学内勤務時間が長い。また、土日の部活動については、部活動の種類により差がみられる。

  >中学校の土日では、部活動の顧問が無い場合1日当たり46分ですが、7日活動日数ある部活動の場合は、5時間12分の勤務時間になっています。


  >一部の文化部では1日当たり約30分ですが、運動部の野球部、サッカー部、バレーボール部などでは3時間以上の勤務時間になっています。


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〇 教諭の平日の勤務時間は、10年前に比べて、小学校では「授業」「学年・学級経営」、中学校では「授業」「授業準備」「成績処理」「学年・学級経営」の時間が増えている。


  >小学校の平日では「授業」の時間が、平成18年度の調査結果に比べて1日当たり27分増加、「学年・学級経営」では1日当たり10分増えています。


  >中学校の平日では「授業」は1日当たり15分の増加ですが、「授業準備」が15分、 「成績処理」が13分増えています。また「学年・学級経営」も11分増えています。


  >中学校の土日では「部活動・クラブ活動」が平均で1日当たり1時間4分、勤務時間が増えています。


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全体的に勤務時間は増えていますが、特に、平日の「授業時間」や関連する「授業準備」「成績処理」土日の「部活動・クラブ活動」、またなどが、目立って増えているようです。


この調査では、平成18年度と平成28年度の勤務時間と比較しているので、


平成23年の学習指導要領の改正で「脱ゆとり」教育として、それまで減り続けていた授業時間が30年ぶりに増加に転じたことが影響しているのではないかと考えられます。


また、「部活動・クラブ活動」については「自主的な活動」とされているものの、


生徒の加入義務化や勝利至上主義などによって、教師の負担増になっているとも言われています。


最近、文部科学大臣は、この調査結果をもとに小中学校教員の長時間労働解消に向けた負担軽減策を検討するよう、中央教育審議会中教審)総会で諮問したとのことです。


文科省は年内にも教員の働き方改革の緊急対策をまとめるそうですが、


やはり、児童・生徒の学習や学校環境をより良くするためにも、


先生が、余裕をもって充実した生徒指導ができる環境づくりは必要ではないかと思います。


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