いつまでも働ける時代に
2月になると節分があって立春になります。
早く春らしく、暖かくなると嬉しいのですが・・・
世界中が、何となく騒がしくなっているような気がします。暖かい春のように良い方向に向かって欲しいですね。
平成29年1月1日以降、65歳以上の労働者についても、「高年齢被保険者」として雇用保険の適用の対象なりました。
いよいよ65歳以上の方も、本格的に「労働者」として働き続ける時代になってきたようです。
でも、これは今の日本人の意識に逆らったものではなく、意識の変化に合った自然な流れなのかもしれません。
というのは「平成28年版厚生労働白書」にある内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(2013年)で、
60歳以上の男女に対し、「何歳ごろまで仕事をしたいか」についてたずねたところ、
「働けるうちはいつまでも(29.5%)」が最も多く、次いで「70歳ぐらいまで(23.6%)」、
「65歳ぐらいまで(21.4%)」となっている。なお、65歳を超えて働きたいと回答した人は合計で65.9%となっています。
性別に見てみると女性は「働けるうちはいつまでも(32.6%)」と答えた方が比較的高い割合を示しています。
また、内閣府の調査で国際的な比較を見てみると、
日本では仕事を辞める時期として適当と考える年齢で「65歳以上」と考えている人の割合は74.3%を占めており、欧米諸国と比較しても高い水準にあります。
国際的に日本の高齢者は就業意欲が高く、また実際に就労している人も多いと言えるようです。
では高齢者が働きたいと思う理由は何でしょうか?
内閣府の調査でわかることは「経済上の理由(自分と家族の生活を維持するため、生活水準を上げるため)(68.1%)」が最も多く、次いで「生きがい、社会参加のため(38.7%)」、「健康上の理由(23.2%)」となっています。
年齢別に見てみると、比較的若い世代(40代~50代)は「経済上の理由」が最も多く、年齢階級が上がるにつれて「経済上の理由」の割合が低下していき、「生きがい、社会参加のため」や「健康上の理由」等の割合が増える傾向にあります。
年金や長年の貯蓄で比較的豊かな高年齢者と、将来が不透明で不安を感じているやや若い世代とは、老後の仕事に対する考え方が異なっているように見えます。
しかし、多くの人が65歳を超えても働くことを希望し、意欲のある高齢者が働くことを通じて、生きがい、社会参加、健康維持の機会を作ることを希望していることは、同様に言えるのかもしれません。
ですから、65歳以上の方も意欲を持って働ける高齢化社会をつくることは、これからの日本人にとって大きな意義があることになるかもしれません。
では、高齢者が就労にあたって重視することはなんでしょうか?
「体力的に無理なく続けられる仕事であること(66.8%)」が最も多く、次いで「自分のペースで進められる仕事であること(48.3%)」、「勤務日や勤務時間を選べること(34.0%)」、「自分の能力を発揮できること(28.7%)」となっています。
高齢者としては、自分の健康や能力に合わせて、悠々自適に自分の力を発揮して社会に参加し続けたいという要望があるので、それらをくみ取って活躍してもらうことが、これからの会社経営にも求められていることではないかと思います。
「若者の減少」が止められない現在、最近のAIやロボットの急速な進化と上手く関わりながら、
積極的な意味で「元気な高齢労働者大国」になることも、意外に良い選択肢になるかもしれませんね。