へんてこ社労士のときどきブログ

さかべ社会保険労務士事務所オフィシャルブログ

共済年金が厚生年金に統合されます

雨や曇りが続きます。


また月曜日です。今週も張り切って仕事しよう、と自分の尻に火を点けたところです。


これから食欲とレジャーの秋に突入しますし。


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ところで、公務員や私学教職員の方はよくご存じだと思いますが、


平成27年10月から「共済年金」は「厚生年金」に統一されることになっています。


共済年金」は国家公務員、地方公務員および私学教職員が加入する年金で、


「厚生年金」は民間企業に勤めている方が加入していることは知っていると思います。


でも官民格差があり、「共済年金」は「厚生年金」に比べてたいへん恵まれていることはご存じでしょうか?


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例えば、保険料率は「共済年金」の方が「厚生年金」に比べて低く設定されていますし、


給付についても、「厚生年金」は基礎年金と厚生年金部分の2階建てで支給されるのに対し、「共済年金」では基礎年金と共済年金部分にさらに職域部分が加算されて3回建てで高めに支給されます。


それから、障害年金は「厚生年金」では厳しい保険料納付要件が求められますが、共済年金では必要要件は緩くなっています。


さらに、遺族年金も、「厚生年金」では給付されている方が失権すれば支給されなくなるのに対して、「共済年金」では次順位者が貰い続けることができます。


また被保険者の年齢制限は「厚生年金」は70歳までですが、「共済年金」には年齢制限はありません。


このような官民格差は、以前から問題視されていました。


ところが、公務員が年々減少し、共済年金受給者が年々増えていくなかで、将来に向けて共済年金制度の維持が難しくなることが想定されるようになりました。


そこで官民格差是正、年金制度の安定性の向上、および年金制度の一元化を展望し、「共済年金」の「厚生年金」への統一が進められたわけです。


段階的な措置はありますが、「共済年金」を平成30年から保険料率を厚生年金と同じ18.3%に合わせ(私学共済は平成39年から合わせる)、


また給付も、3階建てから2階建てに減らすことになります。


原則として、最終的に「共済年金」を「厚生年金」の仕組みと同じにしていくことになります。


これから将来に向けて、公務員も民間企業の方だけでなく、日本全体が格差無く、


同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金を受けられる


公平な社会になってほしいですね。